■コースタイム
8/21 有明壮6:40──6:55中房温泉7:00──10:00合戦小屋10:20──11:30燕山荘13:05──13:35燕岳14:35──15:10燕山荘(泊)
8/22 燕山荘5:55──8:20切通岩──9:10大天荘──9:20大天井岳9:35──9:45大天荘10:10──10:50大天井ヒュッテ11:30──12:00びっくり平12:05──13:10赤岩岳──14:00西岳ヒュッテ──西岳(片道15分)──西岳ヒュッテ(泊)
8/23 西岳ヒュッテ6:00──6:35水俣乗越──8:45ヒュッテ大槍9:10──10:00槍ヶ岳山荘──槍ヶ岳(往復1時間程)──槍ヶ岳山荘(泊)
8/24 槍ヶ岳山荘6:35──7:05殺生分岐──7:10殺生ヒュッテ7:20──7:25殺生槍沢分岐──8:20天狗原分岐──9:20水俣乗越分岐──9:20ババ平──9:50槍沢ロッジ9:55──11:00横尾11:20──12:15徳沢12:30──13:10明神13:15──13:50上高地(小梨平)
■感想
「槍」へ行きたい!と熱望する娘と一緒に、40年前私の山歩きの原点となった「北アルプス表銀座コース」を、当時と同じ行程で歩く事にした。
初日。合戦尾根より燕岳へ。北アルプス三大急登、合戦尾根は整備が行き届いていて、とても歩きやすかった。第1,2,3,富士見ベンチと、約30分おきの休憩を経て合戦小屋。名物「スイカ」を頂く。そこから10分程で、左側に「槍」の穂先が見える。合戦の頭では更に視界が開け、景色を楽しみながらの歩きになる。尾根に出る。右に北アルプスの女王、燕岳。左は、これから行く槍への道。正面は、鷲羽岳・水晶岳等、裏銀座の大パノラマが展開していた。明日は、この景色を見ながらの歩きとなる。燕岳へ。そこでは、一層の大パノラマ。後立山連峰の峰々、立山、劔岳、遠く妙高、火打を見ることができた。天候が穏やかで視界が良かったので、娘は北燕岳へ駆けて行った。私は頂上付近で、1時間程まったりこの景色を楽しんだ。
2日目。燕岳から西岳へ。晴天だ。槍を見ながらの、快適な稜線歩きとなる。大天井岳のトラバース道は、岩と石ころで歩きにくい。苦手。大天井岳頂上では、一段と近くに槍ヶ岳が見える。高瀬ダムの後ろに聳える針ノ木岳も見事だ。喜作新道では、谷底から聳え立つ槍ヶ岳、北鎌尾根の展望が見事だ。ヒュッテ西岳へ。私は、このテン場から見る槍ヶ岳が一番好きだ。東鎌尾根、北鎌尾根、南岳への稜線の中央に、高く聳える槍ヶ岳の勇姿は壮大である。日が沈むまでその姿を眺めていた。
3日目。西岳から槍ヶ岳へ。モルゲンロードに染まる槍ヶ岳、穂高連峰を見て出発。ストックは閉まった。西岳から水俣乗越までは下る一方。そこからは梯子、木道の階段、鎖の連続。細い尾根道は切れ落ちた場所もある。バランスを崩さないよう、この険路を慎重に歩く。ヒュッテ大槍周辺からは、更にガレ場。スパッと切れ落ちた岩場に杭も鎖もない所もあり、恐怖でただただこの場所を生きて抜けたいと思いながら歩いた。ただ娘はそんな場所でも、ヒョイヒョイと駆け抜けおもしろかったー!と言っていた。穂先へ。高度感はあったが、欲しい所に杭が有り鎖が有りで、東鎌尾根の恐怖を思えば安心して登頂できた。頂上は狭く、人がどんどん登って来る。大パノラマを一通り見て、早々に下山する。
4日目。上高地への下りのはずでしたが、娘が穂先でご来光を見たいと言って、早朝暗闇の中出た。予定行程に入っておらず、大袈裟ではあるが祈る思いだ。娘は大満足だったようだ。予定30分遅れで山荘を出る。もう下るのみ!と思いきや何故か上りの岩場。どうやら槍沢への分岐でありえないミス。間違って東鎌尾根に入った。あの恐怖が甦ったが、殺生ヒュッテへの下りがあることを思い出した。殺生ヒュッテが神の城に見えた。さあ、上高地まで下る。槍沢ロッジ辺りまでは、石がゴロゴロしていて足場が悪い。足首を捻挫しないように慎重に歩く。歩きやすい登山道になったら、横尾は直ぐそこ。そこから上高地までの林道を快適に歩く。無事下山。天気に恵まれた4日間でした。目指す槍ヶ岳を見ながらの表銀座コース。槍三昧してきました。(前川・珠)